邱 永漢 著
中国料理を中心とした、うまいもの語りのエッセイ集。
中国の大都市を中心に、欧州、東南アジアから日本まで、世界各地の名店や老舗の案内。料理別おすすめ店の紹介など。
表向きは美食談義ですが、話題は飲食の代金設定や外食業界の動向、フードビジネスのトレンド予想から、事業のアイデアへと展開をみせます。
メシを語るにも常に経済観念がついてまわることで、巷のグルメ作家や料理人作家とは違う、経済人として著者の強いアイデンティティが感じられました。
もともと著者の事を知らず手に取った本でしたが、なんと80才の老齢であるというから驚かされた。本文に少々気取りを感じるのも、海千山千の経験と自信あればこそだろうか。
中国は実に大きな国で、したがって中国料理も広東、上海、四川、香港・・・と一括りにはできない多様さがあり複雑ですが、本書ではそれらを俯瞰的につかむ助けにもなりました。
具体的な店の名前をあげて何々がどうして旨いのかということも述べられており、旅行ガイドブックと読み比べてみるのも楽しいだろう。
と考えがちですが、開高健『最後の晩餐』のなかである人が、邱氏と同席した日とそうでない日とでは料理が違ったというのであるから割と怪しいものです。
『口奢りて久し』
邱 永漢 著
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


