非@食べ歩き

食の本〜感想・記録・書評みたいなこと。食のニュース批評・食文化の研究を通して食事力を鍛えてます
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 先週の話になるが、3月10日。大阪梅田で催された、新・農業人フェアに出かけた。

 これは、全国の自治体や農業法人のブースが設置され、就農や就職、農業一般の相談に当たるほか、新規就農経験者との面談や、セミナーに参加できる催しである。もちろん無料だ。

 10時半にオープンした会場へ着いたときには11時だったが、すでに大勢の人でにぎわっていた。そして意外に多様な人種が居ることにまず驚いた。

 若いのは高校を出たてような人から、いわゆる団塊の世代といわれる辺りの年齢層の人。自分と同年代のおっさんどもはもちろん、リクルートスーツの女子大生風などもちらほら。

やっぱり流行なのかなぁ。

 到着してすぐ、最初のセミナーの時間となり、新規就農経験者と就農センター担当官とのディスカッションを拝聴することになった。

 農業をやることの良さ、おもしろさとともに、それとは切り離すことができない経営の厳しさと、気象天候には勝てない現実。そんな話題が披露され、本を読むだけでは実感できない農業の姿に、多少の現実感が湧いてきた。

 次に、ある県のブースで話を聞いてみることにした。この県は、私がもし就農するならここがいいかなと思っている地域だ。

 尋ねたのは麦作についてである。その県での麦作の動向や将来性を聞くつもりだった。というのも、私はパンも粉物も大好きで、ビールや麦飯も好きだ。もしできるならば、ムギを栽培したいと思っているからだ。

 それで肝心の話だが、結局、現時点では麦での経営というのは収益的に難しいですよ。という話になってしまった。聞きたかったことを上手く聞き出すことができなかった。
 私の知識の浅さから質問の仕方も悪く、相手も何をしゃべってよいのかわからなかっただろう。

 麦では生活できない。まあ、その通りだろう。農林統計を見てもそれはわかる。気候、規模的にいっても、とても外国産に太刀打ちできる作目ではない。
(でも国民のカロリー摂取量の12%はムギから得ているのだから、もっと国産にこだわってもいいのではないだろうか)

 話がそれるのでそのことはまた書きたい。

 あと、岩手の法人ブースでも小麦のことを教えてもらった。
国産小麦の現状のことなど、いくつかのお話を聞けたが、特に印象的だったことが一つあった。
 岩手県は南部小麦の産地だが、その法人ではパン用小麦について、需要家と売買契約している量の2倍の収量を見込んで作付けしているとのこと。
 麦は米に比べて収量の年次変動が大きい作物である。ある程度の余剰は見込んでおくべきだろうが、2倍というのは大変なことだ。それだけコストに響くわけだし、豊作なら暴落のおそれもあるだろう。

 とにかく産地としてノウハウも施設もそれなりにあるところでもこんな麦作経営なのだ。その意味では、ムギを主体にした営農など夢物語かもしれない。
 では、他の作物との複合栽培ならどうか。そんな遊び半分な気持ちで思いを巡らすのもまた楽し。

 古代から栽培され、食べられ、現代においても主要なカロリー源のみならず、嗜好品として日本人の食に欠かせないムギ。なのにその歴史は、コメに隠れた影の存在であった。そして影はいつの間にか外国産に取って代わってしまった。別に外国産を悪者だと言うつもりはないが、我々日本人には米だけでなく麦のDNAも流れていることを、もう少し意識してもよいのではないかと思うのだ。

 フェアで、得たものは、もっと自分のしたいと思うことをよく知らなければならないという教訓であった。
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