有坪 民雄
以前このブログで紹介した、 『イラスト図解 農業のしくみ』の著者による就農マニュアルである。
『イラスト図解〜』は、現代農業の主要なトピックがコンパクトにまとめられた良書だった。
その中でも、就農についていくらかページが割かれていたが、本書はその点をより深く解説したものである。
内容は、就農そして農業で食っていけることを目標とし、その実現を果たすための具体的なマニュアルとなるよう意図されて書かれている。
具体的には、就農時営農計画書のフォーマットや就農アドバイザーとの交渉の進め方、経営計画の立て方や農地取得の段取り等のほか、いかに作物を売り収入を得ていくのかなど、経営コンサルティング業を経てきた著者ならではといえる実践的な記述が豊富である。
また、農村での人間関係の構築方法や、農機具販売業者とのつきあい方など、農家としての経験をもとに語られる様々なノウハウも書かれている。
これらは、農業で生きることにとって重要な要素であると想像できるが、公的な就農支援機関からは得られにくい情報であろう。
「新規就農希望者が、どのような努力をすればよいか知らない」
と著者が語るように、私のように夢を持つだけで、目標を定めず、努力の仕方も分からない者にとってとても役立つ本だ。
ただし、リアルな情報だけに役立ちもするが、同時に現実を直視させられ、おじけづかされたのも事実だ。
本書のようにできれば、成功の確率を高めることは可能かもしれない、という気分になるが、それはまた、最低これくらいの事は実行できなければやっていかれない。という警告のメッセージとも受け取れる。
夢やあこがれは動機として結構だが、それだけで食っていけるほど農業が生やさしい営みでないことをあらためて思い知った。
自分への問いかけと、軍資金がどうやらまだまだ必要らしい。
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