非@食べ歩き

食の本〜感想・記録・書評みたいなこと。食のニュース批評・食文化の研究を通して食事力を鍛えてます
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コメを選んだ日本の歴史
原田 信男
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コメと日本人というと、ココロとか、ブンカとかデントーだとかを持ち出して、コメ離れニッポンを嘆く論調が幅をきかせる。

コメを中心とした食生活が健康に良いとか、コメの消化に向いた体質になっているだとか、あの手この手でどうにかしてコメを買ってもらおうと懸命なのだ。

自給率を上げるという政策目標があるようだが、ではどのくらいコメ食べればいいのか考えてみた。

私はご飯は好きな方で、一食に300g×3で900gほどのご飯を食べている。
一日およそ3合弱、年間で1000合程度だから、昔で言う一石の米を消費しているわけです。

カロリーにしてコメだけで1550Kcalほど、一方私の、必要カロリーは2200/日ほどらしい。

コメ以外の食品で、国産といってすぐに思いつく物は少なく、カロリー的にはほとんど見込めない野菜類ぐらいです。
イモ類はカロリーが見込めますが、それらを食べるときは普通、ご飯の量が減ります。

卵や、肉類、乳は飼料として輸入穀物を与えられているため、カロリーベースでは自給率にはカウントできません。味噌、醤油、大豆加工品も並品はおよそ輸入材料なのでこれもアウト。

魚は国産にカウントできる物が多いと思いますが、毎日食べてはいないので、多くは見積もれません。

で、適当に見積もって国産で1800Kcalほど食べているとすれば、自給率は81%となります。

かなりいい加減で、やり方もおかしい計算だと思いますが、摂取カロリーをコメに頼り、とにかくたくさん食べれば自給率は簡単に上がることが分かります。また、現実的にはコメしか自給率をあげる手段がないことも分かります。

そういう意味ではコメは日本人の命なわけですが、それは飢えないという食糧安保の立場でそのように言えるだけで、ここでコメ食についてココロの問題や、文化や伝統を持ち出したところで、一種のノスタルジーでしかなく、コメ食の推進にはならないでしょう。

コメ離れが日本の伝統の崩壊だとか、食の乱れとセットで語られるケースは多いけど、コメはコメ。ただの食品です。おいしければ食べるし、そうでなければ食べられない。ただそれだけです。

ココロとか、伝統とかいろんな付加価値を付けてコメ信仰をあおったところで、頭にいい。とか、血圧が下がる。といっては一瞬のブームとして過ぎ去っていくフードファディズムと、売り込み方は本質的にはかわらないのではないでしょうか。

私自身はコメ好きで、書いたようにいつも食べていますが、それとコメ信仰はまったく別です。おいしいから食べる。それはおいしく食べる工夫と手間の問題であって、日本人だからとか、農家に感謝して、とかそういうものとは次元が違うのです。そういう工夫なりを多くの人が意識して、自然にうまい米を食べるようになることが、結果的に自給率のアップに繋がることが大事ではないのかと思う。
ただ、今の世の中、コメをうまく食うのは簡単ではない。

それはさておき、このようにコメについてドライに書くと、違和感を感じる方もいるかもしれない。やはり、コメにはココロがあると。
それ自体は否定することでも何でもありませんが、ではなぜ、日本人にとってコメは特別なのでしょうか。

古代から続く日本の国家制度においてコメがどのように取り扱われ、そしてそのことが、民衆のコメ信仰をどのように形成していったのか。
自らのココロの拠って来たるものはなんなのか。
そんなことを考えながら本書に当たれば、もっとコメに愛着がもてるかもしれないし、ドライに語れるようになるかもしれない。
コメに興味があれば是非一読を。
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